ミンサー型賃金関数

ミンサー型賃金関数とは、教育年数と勤続年数が賃金に対し2次関数であてはまるとした考え方です。(ややこしいので詳しくは下記のサイトを見てくださいね)
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/11j026.pdf

このDPを見ると、人事制度を作る側の人間としては、やっぱり・・・なるほど・・・と思う記述が多々ありました。

アメリカよりも日本の方が勤続年数が賃金を倍増させる傾向が強いこと
・長い経済停滞を経た今でもアメリカよりも日本の方が勤続年数により賃金が急勾配で増加すること
 →賃金のフラット化や、職能給など仕事のアウトプットや仕事の内容に応じて給与の額を決めようという流れがあったにも関わらず、結局そんな仕組みに関わらず勤続年数に応じて若いうちではなくある程度年をとってから給与がどっと増えている・・・。
・若いうちは賃金が生産性を下回るが、年を取ってから賃金が生産性を上回るという賃金の後払いを行うことにより、無駄な退職を減らすことができるというメリットがある。

私も成果主義的賃金体系や、職能給などの導入をしましたが、結局運用面で求められるのが、「そろそろ年齢的にももうちょっと昇給してあげないと…」、「年齢的にこのまま管理職にしないと格好がつかないのでポストを作りたい。そしてその手当をあげたい」といった家族・温情主義的運用です。

それが一概に悪いとも言えず、とはいえそもそも最初の制度設計時のコンセプトとはまるで離れてしまうので、こういう相談を受けるといつも悩んでしまいます。

企業が拡大・成長している時期にあるか、もしくは既に年齢階層的にきちんとしたピラミッドができている場合にしか、勤続年数による一律の昇給というのは維持できないはずなのですが、(でなければ同じ仕事をしているのにどんどん人件費だけが上昇し収益を圧迫する)今までに染み付いた日本的な考えがやはりみんなにとってはあうんだなと正直思います。