労働基準監督署の調査

 昨年から大阪では商業などの小規模事業者を対象に、労働基準監督署の調査が行われているようです。今回の調査対象である零細規模の事業者は、労働法なんて大企業にしか適用されず、まさか自分の会社のような小さな会社にまで、いちいち言ってこないだろうと思っています。
 しかし、労働基準法は大企業や中小零細企業の区別なく、適用されます。
 全く労働基準法に関係なく事業をやってきた企業などは、実際に監督署の調査を受け、是正勧告の指摘事項を見ると愕然とするようです。

 自分の会社が危ないかどうかは、まず給与計算が簡単かどうかで判断できると思います。何時間働いたかに関係なく毎月固定給で支払っている会社は要注意です。給与計算が簡単で喜んでいる場合ではありません。なぜなら労働基準監督署の調査で一番怖いのは未払い残業代の支払いだからです。全く残業代の支払いや労働時間の管理をしていない会社では、ひとり当たりいとも簡単に未払い残業代が100万円や200万円を超えます。

 ただリスクヘッジするためにできることがたくさんあります。
 実際に先日うちの顧問先も調査を受けましたが、是正勧告も指導書も出ず全くお咎めなしで帰ってこられました。これは普段からの当方のアドバイスにこの顧問先の社長が前向きに対応してくださったのが大きな要因だと思います。
 一方飛び込みで入ってきた監督署調査に関する案件では、社員が数人しかいないにも関わらず、概算で数百万円の未払い残業代があることが判明しました。

 そして本当にもっと怖いのは監督署よりも労働者からの請求です。
 100万円以上のお金を手に入れられるとなれば、社員さんからいつそのお金を請求されてもおかしくないと思いませんか?税務調査なんて目じゃないレベルの大きなリスクを背負っていることをもっと認識する必要があります。
 中小零細企業の皆さんも、税金と同じくらいのレベルで、労働時間管理、給与計算を考えてくれたらいいのになと思います。