仕事の質

 開業当初は、とにかく無我夢中で働いていましたが、5年くらいを過ぎた頃からこのままではいけないと思うようになりました。
 
 仕事でご一緒していたある方が私にこういいました。
「人に振り回される前に、先に人を振り回せば、自分は振り回されなくて済み、仕事がはかどる。」
 正直言って私は内心この方と仕事をするのが嫌だと思いました。
 残念ながらこの方との関係において、振り回されているのは私だったからです。
 でも結局のところ自分の質が足りず、レベルが低いから、振り回される側にいるんだと思いました。この時、この先ずっと今のままの働き方では駄目だと痛感した記憶が鮮明に残っています。
 
 確かに当時は、呼ばれたらすぐに飛んで行って、朝夜なしにかかってくる電話に出て、無理な納期にも徹夜してでも仕事を仕上げ、どんな顧客の無理難題にもなんとか応えようと奮闘していました。その結果、目の前の仕事に追い回されて、全く自分のレベルアップのための時間が取れなくなってしまっていました。
 
 駆け出しの頃はこれで良いと思いますが、いつまでも24時間365日応対という質より量を売りにするような働き方をしていたら、これ以上の成長はないと思いました。もっと仕事全体の進捗を自分がコントロールできるようになり、自分の質をあげるための時間を増やさなければいけないと考えたのです。

 収入の1割くらいは自己投資につぎ込むべきというという考え方がありますが、私はそのとおりだと思っています。服やかばんにつぎこんでも何も生まれませんが、自分がレベルアップすれば、新しい仕事やより良い評価につながり、つぎ込んだ金額よりももっと大きなものがそこから生まれる、かもしれません。(まあ賭けなので、何もないかもしれませんが…)

 とはいえ、なかなかすぐには思うようにいかず、ちゃんと時間管理ができるようになったのは意外にも出産後でした。